山本博文の北ルソン・コーヒー探訪記⑯

カダクラン再訪

 

  さて、サガダでのワークショップ等が終わって一息つく暇もなく、今度は、違う大学のプロジェクトで、コーヒーの全般的なワークショップを行いました。対象は、大学周辺の農家さんと政府系の組織のお偉いさん方々。

 

 

 内容は、スーパーベイシックなコーヒーの情報です。つまり、コーヒーには、アラビカ種、ロブスタ種(主に缶コーヒーに使用されています)、リベリカ種(現地では、バラコと呼ばれています)があり、その他にも、カフェインの含有量が極端に少ない、マスカラコフィア等々、た~くさんのコーヒーの種類があり、その中でもアラビカ種が優秀であること、それを参加者の皆さんが育てていることをお伝えして、香味の違い等を実際に試飲してもらいながら理解してもらいました。質問もたくさんあり、「ほいじゃ、コピ・ルアックってどうなの?」とか「ロブスタ育てられないの?」といった栽培のことや、香味のことと多岐にわたっていました。

 ワークショップは大成功に終わり、農家さんも自分の作っているコーヒーにいい意味でプライドを持ってくれたように思います。最後にありがとうね、っとプレゼントを貰いました。マグカップに、僕の顔が印刷されていました。いやいや、恥ずかしいから・・・。まぁありがたく頂戴いたしました。

 

 

 そして、今度は、産地へ。

 CGNの反町さんと共に、アシュレーさんのいるカダクランへ向かいました。覚えていらっしゃいますか。ぼくが一番最初のブログで書いた場所。とっても遠い、でも、素晴らしく自然な、それも圧倒的な自然の場所。それがカダクラン。そこで、数年前より、CGNがコーヒーのプロジェクトを行っており、今年からコーヒーが収穫されるということで、その前に加工のワークショップを行おうということになり、訪問しました。

 

 

 相変わらず、くったくのない、人を心の底から和ましてくれる笑顔で迎えてくれたアシュレーさん。メンバーの方々にも笑顔が広がります。

 ワークショップは、主に水洗式の方法をお伝えし、実際に収穫してもらったコーヒーの実を使用して、フローター選別、果肉除去、発酵、水洗い、乾燥と順を追って行いました。

  数カ月後、アシュレーさんから届いた豆は、少し水分値が多いものの、鮮やかな酸味と、心地良いグラッシーな香りと、甘みを感じるコーヒーでした。素晴らしいコーヒーでした。これから、もっと良くなると思います。ぜひぜひ、アシュレーさんを筆頭に、カダクランのコーヒー農家さんがもっと盛り上がりを見せてくれることを願っています。

 

 

 さてさて、山で過ごしたあとは、都会へ。

 マニラで、ワークショップを行いました。久々のマニラ、やはり都会です。暑い。場所は、エドサ・ビバレッジ・デザイン・カンパニー。めちゃくちゃおしゃれな自家焙煎の、サードウェーブとか呼ばれたりするコーヒー屋さんです。

 ここは、場所をいろいろな人に提供していて、セミナー会場としても使えるようにしているぐらい広い場所です。

 

 

 まぁとにかく、楽しくワークショップを終わらせることが出来ました。

その後、フィリピン初公開の「A Film About Coffee」という映画を見に行きました。

 現在の最先端のコーヒー業界について、かっこ良く、そしてわかりやすく映画化したものです。会場は満員。コーヒーファンがたくさん集いました。映画の中には、日本のコーヒー文化が紹介されているのですが、日本コーヒー文化を牽引した一人でもある、大坊珈琲店の大坊さんが紹介されていました。コーヒーを抽出する一連の流れは、洗練されて、無駄がなく、一種のアートのような印象を受けました。他の鑑賞者もそうだったようで、大坊さんの場面が終わると、皆拍手喝采でした。いやー日本のコーヒー屋はすごい!