種からコーヒー豆ができるまで

●栽培

1. 種まき & 発芽

コーヒーの種(生豆にパーチメントという殻のついた状態)を一晩水に漬けておきす。翌日、種の筋のある側を下にして、畝に種を蒔きます。1ヶ月ほどでかわいい芽が出てきます。

2.ポットに移植

本葉が2~4枚ほど出てきたら、畝からビニールポットに移し変えます。苗木の成長を予測して大き目のポットに移し変えます。土には堆肥を加えます。

3.移植

1~2対の枝が出てきたら、植樹できます。種まきからここまで育つのに約1年。

植樹地に大きめの穴を掘り、堆肥と土を混ぜて、苗木を植えます。傾斜地でこの穴をたくさん掘るのは本当に大変!苗木がしっかりと地面に根を張ることができるように、雨季(6月~9月)に植樹を行います。乾季に植樹すると根がつかず、苗木が枯れてしまうのです。植樹は雨の中の重労働です。

●収穫

 4.苗木の生育

移植後、草刈り、施肥、シェイドツリーの剪定による日照の調整などの手入れを続けます。

約3~5年で収穫ができるようまでに成長します。3月から5月ごろに白い小さな花が咲きます。

白い花が落ちると、実がなります。最初は固い緑色の実。その後、黄色、オレンジ色に変化し、最後は真っ赤に色づきます。品種によっては、赤くならずオレンジ色のコーヒーチェリーもあります。

実が真っ赤に熟すると収穫シーズンの到来です。この深紅色の実は”コーヒーチェリー”と呼ばれ、口に含むと甘酸っぱい味がします。山の村では子供たちの大好きなおやつでもあります。

5.収穫

ひとつひとつ手作業で、十分に熟れたコーヒーチェリーだけをていねいに摘み取ります。コーディリエラ地方の収穫シーズンは11月から2月までです。

●精選・加工

6.果肉の除去

収獲したコーヒーチェリーは水につけ、浮いたものを取り除きます。沈んだものだけを手動のパルパー(果肉除去機)に入れて、果肉を取り除きます。写真(右)は木製の手作りのパルパーで果肉を取り除いているところ。

 

 

最近はこういったパルパーも政府などから支給され始めています。
最近はこういったパルパーも政府などから支給され始めています。

7. 発酵

果肉を取り除いた豆を水に漬けて再度浮いた豆を取り除いたのち、一晩以上発酵させ、表面のヌルヌル(ミューシレージ)を洗って取り除きます。この状態をパーチメントとよびます。

8.乾燥

天日で干して、豆を乾燥させます。乾燥は、竹などで棚を作り、その上にざるや網を敷いて干します。地面にそのままプラスチック製のシートを敷いてその上で乾燥することもあります。均等に乾燥するように時々かき混ぜます。

天候によりますが、1週間から20日くらい乾燥させ、コーヒー豆の水分含有率を10-12%にします。しっかり乾燥させることで、生豆の劣化を防ぎます。

9.脱穀

パーチメントをハラー(脱穀機)で取り除きます。CGNのコーヒー事業地では、伝統的な方法をとっている農家が多く、写真のように機械ではなく杵と臼でパーチメントをついて、殻を取り除きます。

 

10. 選別

パーチメントを取り除いた生豆(なままめ)を選別します。発酵豆、小さすぎる豆、かびてしまった豆、割れた豆、虫食いまめなどを手作業で一つ一つ取り除き、良質の生豆だけを選別します。とても根気のいる作業です。

欠点豆を紹介したポスター。CGNが農家に配布。
欠点豆を紹介したポスター。CGNが農家に配布。

●焙煎・粉砕

 12.焙煎

 選別後の生豆を焙煎機で焙煎(ロースト)します。焙煎することではじめてコーヒー特有のアロマや味が生まれます。焙煎の度合いは、一般的に浅煎りから深煎りまで8段階に分けられ、それぞれ味わいや香りが異なります。コーディリエラ地方では以前は鍋で焙煎していましたが、最近、政府が焙煎機の支給を始めています。

 

 11.グラインド

焙煎したコーヒー豆を挽きます(グラインド)。味の好みやコーヒーを淹れる方法によって、粒度(細かさ)を調整します。

12.抽出

お好みの方法でコーヒーを淹れれば、美味しい一杯のできあがり!

ペーパードリップで淹れるとさっぱりとした味わい、コーヒー(フレンチ)プレスで淹れるとコクと甘みのある味わいになります。コーディリエラ地方の村では、伝統的には粗く挽いたコーヒーをヤカンにそのまま入れてお砂糖をたっぷり加えて煮出して飲んでいます。