ルソン島北部山岳地方のコーヒーは、バギオ市内のコーヒーショップなどでは普通に飲むことができます。庶民の暮らしの中心である市場にも地元のコーヒーを販売する店舗がいくつかあります。しかし、残念ながら、その品質のほうは、コーヒー通の方にはあまりおすすめできるものとはいえません。
市場のコーヒー店は持ち込まれるどんなコーヒーでも買い取り、大きな焙煎工場で焙煎して販売しているので、せっかくのおいしいコーヒーが(おいしくないものも混じっていますが)台なしになってしまっています。
コーヒー栽培の技術指導を続けてきたNGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」は、こういった状況を改善し、山岳地方で生産されたおいしいコーヒーを確実に消費者の手に届け、生産者をサポートしようと社会的起業を思い立ち、2017年カピタコ・ソーシャル・エンタープライズを創業しました。
おもにCGNがプロジェクトを行ってきた地域の栽培農家から、品質のチェックをしたうえでコーヒーの生豆やパーチメントを直接適正な値段で買い取り、日本のフェアトレードショップに輸出したり、フィリピン国内のロースターズに卸したりしています。
また、「YAGAM COFFEE」としてフィリピン国内向けにオンラインショップ(英語)でも販売しています。
以下では、カピタコ・ソーシャル・エンタープライズで扱っているコーヒーを購入できるショップをはじめ、ルソン島北部山岳地方産の品質の良いコーヒーを購入できるところを紹介します。
関西を中心にフェアトレードショップを展開する「シサム工房」では、ルソン島北部山岳地方のコーヒーを直輸入し、オリジナル焙煎の「SISAM COFFEE」として販売しています。深煎り、中煎りの2種があります。オンライン・ストアでも購入できます。1袋(50キロ)単位での生豆の卸売販売も行っています。
【 SISAM COFFEE 深煎り 】
・カカオのような香り、ビターチョコのようなまったりとした味わい
・すっきりと飲みやすく、それでいて適度な飲みごたえも十分
・苦味もしっかりあるので、ミルクと合わせてカフェオレにも向いています。
・アイスコーヒーにもおすすめ!
【 SISAM COFFEE 中煎り 】
・『Good Morning Taste 朝に飲みたいコーヒー』をテーマに焙煎
・すっきりとした味わいで、ナッツの様な香ばしさと柑橘系の爽やかな飲み口が特徴
シサム工房の以下の実店舗でも販売中です。
京都・本店
京都・裏寺通り店/大阪・なんばCITY店
大阪・もりのみやキューズモール店
大阪・枚方T-SITE店
神戸・岡本店
神戸・三宮SOL店
東京・コピス吉祥寺店
Online store : https://sisam.shop-pro.jp
<問い合わせ先>
TEL: 075-724-5677
Eメール: info@sisam.jp
商品について:https://sisam.shop-pro.jp/secure/?mode=inq&shop_id=PA01421403
フェアトレード&オーガニック・コーヒーの販売会社の豆乃木では、シサム工房より仕入れた生豆を自家焙煎し、オンラインで販売しています。豆乃木は主にメキシコ産のコーヒーを販売しており、フィリピン産のコーヒーは、不定期での販売になっていますので、販売状況についてはHPで確認ください。
フェイスブック:Fairtrade Coffee Journal ~コーヒーで巡る世界
Eメール: info@hagukumuhito.net
e店主が自ら製作した小型焙煎機を使い、オーガニックやフェアトレードにこだわった豆を焙煎して販売している京都の焙煎工房。「農家さんの健康や産地の環境にも配慮し、農薬や化学肥料を使わず育てられ、丁寧に収穫・精製された生豆を使っています。また、作り手と買い手の信頼関係のもと、適切な価格で取引されたものを選んでいます」とのこと。少量づつ丁寧に焙煎し、卸売、イベント出店、ケータリング、各種ワークショップなどを行っています。販売店や出店スケジュールについてはSNSで確認ください。100gからの少量の生豆の販売も行っています。
ウエブサイト:https://caffemicio.theshop.jp/about
フェイスブック:caffemicio
インスタグラム:caffemicio
Twitter: caffemicio
Eメール: caffemicio@gmail.com
アジア学院は、1973年の創立以来アジア、アフリカ、太平洋諸国の農村地域から、その土地に根を張り、その土地の人々と共に働く“草の根”の農村指導者(Rural Leader)を学生として招き、栃木県西那須野のキャンパスにて、国籍、宗教、民族、習慣、価値観等の違いを認めつつ、公正で平和な社会実現のために、実践的な学びを行っている学校です。ルソン島北部からもたくさんの研修生を受け入れています。
アジア学院のオンライン・ショップでは、オリジナル焙煎豆のルソン島北部産のコーヒーを販売をしています。100gパックになります。
TEL: 0287-36-3111
FAX: 0287-37-5833
Eメール: info@ari-edu.or
横浜市旭区の白根通りから裏道に入ったところにある、地域密着型の有機野菜、自然食品、自家焙煎珈琲の店です。経営母体は教育や環境問題などについての書籍を出版している世織書房。コーヒーはフェアトレードを中心に世界中のコーヒー豆を自家焙煎して販売しています。
フィリピン産のコーヒーは、研修で珈琲工場&百屋を訪問したベンゲット州トゥブライ郡の栽培農家さんのコーヒーに限定して直輸入し、オリジナルの「バアヤン・コーヒー」として販売しています。ウォッシュドとナチュラルの二つの精製方法で加工された豆が揃っています。
珈琲工場&百屋では、コーヒー以外には、地元の農家さんが作る安心で新鮮な無・減農薬の野菜、昔ながらの製法で作られた無添加の調味料をはじめ、お菓子、洗剤や石鹸なども扱っています。また、ハンディを持つ人たちの働きの場でもあります。
住所:〒241-0005 横浜市旭区白根5-14-1
定休日:なし
TEL: 045-954-5888
FAX: 045-954-5777
Eメール: coffee-hyakuya@nifty.com
フィリピンでNGOのインターンをしていたことのある原崎さんが、Sari Sari Storeという名のキッチンカーで、自家焙煎したルソン島北部山岳地方産のコーヒーを「森と人の珈琲」として販売しています。オンラインショップでも購入できます。出店スケジュールはSNSでご確認ください。
SARI SARI STOREを紹介したオンラインマガジン「Rythmoon」の記事
フェイスブック:sari sari store
インスタグラム: sarisaristore_meg
広島県尾道市でCGN日本事務局を運営している竹本泰広さんが、出店やイベントで不定期に手回し焙煎機で焙煎したコーヒーを「大家族珈琲」として販売しています。竹本さんは、2020年にクラウドファンディングで『うんち宇宙なのだ』を出版。クラウドファンディングのリターンにも「大家族珈琲」が使われました。生豆での小分け販売(最低1キロ以上)の相談にものってくれます。
TEL:070-5661-0186
UNKNOWN COFFEEのテーマは「旅とコーヒー」。店主のRyoichiさんは、キッチントラックを使った移動カフェをイベントなどで開店し、自らがアジアの旅で出会ったコーヒーをハンドドリップで提供しています。なんと写真にある素敵なキッチントラックはRyoichiさんの手作りだそうです。Ryoichiさんは、ルソン北部の生産地も毎年訪問しています。出会ったコーヒー生産者と旅の話を聞けるのが、UNKNOWN COFFEEの何よりの魅力です。オンラインショップでも購入できます。
Unknown Coffee の出店情報はRyoichiのFBページか、Freeman JournalのFBページで。
フィリピン国産コーヒーの飲める店としては、フランチャイズ展開をしている「Bo`s Coffee」がよく知られています。しかし、品質はまちまちで、なかなかマニラで美味しいフィリピン・コーヒーに出会うのは難しいことでした。しかし、近年マニラではカフェブームが起きていて、あちらこちで新しいコンセプトのコーヒーショップがオープンしています。数年前まではスターバックスしかなかった海外産の豆を使ったコーヒーを出す店もどんどん増え、スペシャルティコーヒーを扱う店もどんどん増えています。
(マニラのスペシャルティ・コーヒーショップの紹介ブログ(英語)⇒)
そんな中にはフィリピン産のスペシャルティ・コーヒーをメニューに加える店も登場しています。
以下では、カピタコ・ソーシャル・エンタープライズが扱っているコーヒーを購入できるマニラ首都圏の店を紹介します。
選んだ生豆をその場で焙煎してくれる日本の珈琲問屋のマニラ店です。店内にはケースにずらりと世界中から仕入れた生豆がディスプレイされています。フィリピン産コーヒーも、ルソン島北部のものからミンダナオ島のものまで豊富に揃っています。生豆を選んだあとは、焙煎度合いや挽き具合をリクエストし、3分で仕上がるという熱風式焙煎機で焙煎してもらうというシステムです。日本のショップと同様にさまざまな抽出器具なども揃っています。オンラインショップでの購入も可能です。
住所:4970 P. Guanzon,
Makati City 1210
https://www.coffeetonyaph.com/
営業時間:月ー土曜 10:00AM - 7:00PM
定休日: 日曜
TEL:0975-0878-491 | 02-8899-5410
Eメール : coffeetonya.philippines@yahoo.com
コーヒー栽培地から近いバギオなのでどこでもおいしいコーヒーが飲めると思いきや、本物のおいしい地元産のアラビカ・コーヒーを見つけるのは至難の業です。ほとんどのカフェやコーヒーショップでは市場で仕入れた素性のわからないコーヒーを出していて、アラビカ・コーヒーとメニューにあってもロブスタ・コーヒーであることさえあります。
以下に、農家から直接買い付けたコーヒーを地元で焙煎して提供しているコーヒーショップを紹介します。
Nest Coffee Roastersは、カピタコ・ソーシャルエンタープライズの焙煎豆を取りそろえた小さなコーヒースタンドです。住宅地ケソン・ヒルの入り口のファーストロードとナギリアン・ロードの角にあるコ・ワーキングスペースCalle Uno内にあります。ルソン島北部コーディリエラ山岳地方のいろいろな生産地のシングルオリジン・コーヒーを購入できます。焙煎は日本製の小さな焙煎機でQグレーダーの資格を持つ焙煎士が注文に応じて焙煎しています。
住所: Calle Uno, #3 Escoda (First Road), Quezon Hill, Baguio City
フェイスブック: Nest Coffee Roasters
インスタグラム: Nest Coffee Roasters
TEL: +63 977 705 7831
Eメール: nestcoffeeph@gmail.com
バギオ市の市場のお隣にあるAnabao Squareという商業ビルの3階にあるフィッシュスパのあるカフェです。いくつかの山岳地方産のコーヒーをハンドドリップかフレンチプレスで提供しています。ほかにも若者に喜ばれそうな甘いドリンクやスイーツ、スパゲティなどメニューは豊富です。格安なコーヒー抽出器具も販売しています。
住所:3rd Floor Abanao Square,Baguio City
フェイスブック:Cafe Kayman and Little Nibblers Fish Spa
TEL: +63 927 342 1771
バギオ市の住宅街の庭付き一軒家にある大人気カフェ。コーヒーは輸入コーヒーとともに地元産にこだわり、カピタコ・ソーシャルエンタープライズの生豆をオリジナル焙煎で提供しています。広々した庭でマットを敷いてピクニック気分でコーヒーを楽しめます。
住所:135 Easter Road corner Road 1 Manzanillo,Baguio City
フェイスブック:Hatch Coffee
インスタグラム: Hatch Coffee
営業日:水曜~日曜
TEL: +63 920 947 8703
バギオ市中心部の広々とした庭のある邸宅の一角に移転しました。海外産、フィリピン産を問わず、いろいろなロースターのコーヒーを週替わりでエスプレッソマシーン、ハンドドリップなどで提供しています。
住所:1 Yangco Road, Corner Brent Road ,Baguio City
フェイスブック:Hot Cat Specialty Coffee
インスタグラム:bahaypusa
TEL:+63 916 761 1408
Eメール:lennypot_78@gmail.com
バギオの町中にあるカテドラルが運営しているオーガニックショップ。地元の有機野菜や、手作りの加工食品などを販売していて、いつも地元の買い物客でにぎわっています。コーヒーは、イフガオ州やマウンテン州サガダ産など、コーヒー栽培農家の団体が加工したコーヒーの品ぞろえがあります。カピタコ・ソーシャルエンタープライズの焙煎にこだわった「YAGAM COFFEE」のブレンドも販売しています。セッションロードからはPorta Vagaという商業ビルの最上階から屋上駐車場に出ると、その一角にあります。カテドラルの正面ゲートから入ることもできます。
フェイスブック:Mountain Grown Natural Food
TEL: +63 950 986 9801
フィリピンのスノッブな若者たちの間で大人気のルソン北部ラ・ウニオン州サーフタウン、サン・フアン町にある大人気のコーヒーショップです。フィリピン・バリスタ・チャンピオンシップで2016年、2017年2年連続チャンピオンに輝き、2016年タブリンでの世界大会でも14位の好成績を収めたSilvester Dan Samonteが焙煎を担当しています。ビーチにあるのでコールド系コーヒーが主流。北ルソン産のコーヒーがどのドリンクに使われているかはバリスタに聞いてみて。
住所:MacArthur Highway Kilometer 274+600
San Juan, La Union
インスタグラム:El Union
ネグロス島バコロド市にあるスペシャルティ・コーヒーのロースター&カフェです。オーナーはアラビカとロブスタのQグレーダーの資格をもち、国際組織コーヒー・クオリティ・インスティトゥート(CQI=コーヒー品質協会)のインストラクターの資格を持つドイツ出身Thomas Sproten。彼が厳選したカピタコ・ソーシャル・エンタープライズの北ルソン産コーヒーを自家焙煎して販売しています。
住所:Alijis Road (beside 7/11),Bacolod City
TEL: +63 949 507 5359
インスタグラム:Coffee Culture Roastery
フェイスブック:Coffee Culture Roastery
2020年に発生したCOVID-19の感染拡大で、多くのコーヒーショップが店舗を閉めオンラインショップに移行しました。さまざまなコーヒー店のコーヒー豆がオンラインで購入できるようになったのはうれしいことでもあります。
2020年のCOVID-19の影響でカピタコ・ソーシャル・エンタープライズの直営カフェの「Cafe Yagam」は閉店し、オンラインでの販売のみになりました。バギオ市やコーディリエラ山岳地方の手工芸品をアレンジしたコーヒー関連の雑貨なども販売しています。生豆や焙煎豆の卸販売も行っています。
ホームページ:https://yagamcoffee.com/
オンラインショップ:Yagam Coffee Online Shop
インスタグラム:yagamcoffee
フィリピン各地のトレサビリティの可能なコーヒーを焙煎する小さなロースター。SNSでの注文で発送してくれます。購入可能な豆の情報はフェイスブックかインスタグラムでチェックできます。イベントなどでも出店しています。
住所:Quezon City, Philippines
TEL: +63 919 991 4526
インスタグラム:Trails & Traces Coffee Roasters
フェイスブック:Trails & Traces Coffee Roasters
世界各国と国内はミンダナオ島とルソン島北部の厳選したコーヒー豆を自家焙煎して販売している。フィリピン産チョコレートの販売も開始。スタイリッシュなギフトボックスも人気です。
ホームページ:https://www.everydaycoffee.ph/
インスタグラム:Everyday Coffee Roasters
フェイスブック:Everyday Coffee Roasters